血液中の「赤血球」や赤血球に含まれる「ヘモグロビン」の量が少なくなった状態を、『貧血』といいます。
赤血球は酸素を肺から体中に運び、体中の組織にたまった二酸化炭素を肺へ排出する役割を持っています。その働きの中心となっているのがヘモグロビンで、鉄イオンがあるために、赤い色=血液の色をしています。ヘモグロビンが少ないと、黄色味を帯びた青白い顔色になるほか、全身に運ばれる酸素の量が不足して貧血のさまざまな症状が現れてきます。
数値からよみとるキケン信号
貧血の診断はおもに、赤血球数・ヘマトクリット・ヘモグロビン(血色素)の3項目でおこないます。
<基準値>
赤血球数(1マイクロリットル中)・・・血液中の赤血球の数をあらわします。
男性:450~550万個/女性:400~500万個
定数頭痛や首の痛み
ヘマトクリット・・・血液中の赤血球の容積の割合をあらわします。
男性:40~50%/女性:35~45%
ヘモグロビン(1dl中)・・・ヘモグロビンの量をあらわします。
男性:14~16g/女性:12~15g
<基準値におさまらない場合>
基準値より高い場合は「多血症」の疑いがあります。
暑い中で運動して脱水症状を起こすと、血液が凝縮して見かけ上の多血症になりますが、この場合は特段の治療などは不要です。
ちょうど肩下腕の滑液包炎の痛みのために役立つ -
「真性多血症」は血液検査で判明する原因不明の血液腫瘍疾患のひとつです。血球ことに赤血球が著しく増加し、脾臓の腫れがみられます。頭痛・赤ら顔・耳鳴り・めまいなどの症状に加え、進行すると血栓により脳梗塞・心筋梗塞をおこしやすくなります。また、おもに中高年の男性のうち、太り気味で血圧が高く、エネルギッシュなタイプに多いとされている「ストレス性の多血症」は、真性多血症と同じく血液が凝縮されて粘度が高まり、血栓ができやすくなる場合もあります。どちらも主治医のもとでの経過観察や治療が必要です。
基準値より低い場合は「貧血」の疑いがあります。
体内が酸素不足になることにより、めまい・立ちくらみ・頭痛・疲労・肩こり・動悸・むくみ・顔色不良などの症状が現れます。
フィプロニル皮膚炎
貧血には、骨髄の造血機能の異常でおきる再生不良性貧血や、肝硬変・腎不全による貧血、胃切除によるビタミンB12不足でおきる貧血などがありますが、最も多いのは鉄が不足して、体内でヘモグロビンの合成が十分に行われないためにおきる「鉄欠乏性貧血」です。鉄摂取量の不足・出血による不足、成長期や妊娠中の鉄需要増加などがその原因で、女性のほうが鉄不足になりがちです。
明らかな貧血の場合は食事の改善だけでは不十分で、それぞれの原因に適した対策と治療が必要です。受診科も原因によりさまざまですが、明確でない場合は内科を受診してください。
鉄欠乏性貧血の改善や予防のために
バランスよく食べるのはもちろんですが、ここでは「鉄」を多く含む食品を意識してみましょう。食品に含まれる鉄には「ヘム鉄」と「非ヘム鉄」があります。
ヘム鉄は腸での吸収が良いのが特徴で、おもに魚や肉に含まれ、ウナギ・カツオ・アユ・イワシや豚レバーに特に多く含まれます。
非ヘム鉄はおもに野菜や穀類、貝類、海藻類に含まれ、単独での吸収は良くないのですが、動物性たんぱくと一緒に摂ることで吸収が良くなります。ほうれん草・小松菜・大豆製品・切干大根・アサリ・カキ・藻ずく・ヒジキなどに多く含まれます。
また、ビタミンCは鉄の吸収を促してくれます。
小松菜と豚肉のいため物・カキにレモン・高野豆腐の卵とじ・・・鉄摂取に効果的なメニューが、いくつか思い浮かびましたか。
お茶やコーヒー・紅茶に含まれるタンニンは鉄の吸収を悪くしますので、食前や食事中は避けましょう。ほうじ茶やウーロン茶は大丈夫です。
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